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その1:どうやって筋肉は刺激されるか

こんにちは

最近いろんな方からメッセージをいただくようになり、ブログをする時間を作っていかないとなーと感じ、今日から運動生理学の入門編を始めます。私自身運動生理学は学士と修士しか取っていなくて博士では全く別の事をしているのでそこまで詳しくないですので、大雑把に運動に大切な仕組みの「あらすじ」を書くような感じで進めていきます。

今日は、どうやって筋肉が刺激され、収縮されるかについて簡単に短くまとめます。

筋肉自体がその意志で筋肉を収縮する事はないです。だから、「体が憶えてる」と言う表現は実は間違いで、脳が覚えているという方が正しいのです。つまり、腕を曲げたり、走ったりという筋収縮による動きは全て脳の伝達によって起こります。

 脳は「収縮しろ!」と伝える事はできないので、電気信号によってこれを伝えます。
しかし、脳から筋肉までは距離があるので直接ではなく、何かを通して間接的に伝えます。これが脊髄と神経です。神経は言わばコンセントのコードみたいな役割をしています。

しかしこのコードはいろんな種類があって全てが筋肉収縮の伝達のメッセージを伝えるのではなくそれに特化した神経(コード)があります。

 それがモーターニューロン(運動神経)です。モータニューロンは、いくつも存在します。そして、一つのモーターニューロンが複数の筋細胞を刺激します。ある神経はたった10個の筋肉を刺激し、またとあるモータニューロンは一つで数百もの細胞を刺激します。この1つのモータニューロン + 刺激される筋細胞達をセットでモーターユニット、といいます。よく音楽で「ユニットを組む」とか言いますよね。そのユニットです。

つまり、筋肉の刺激の流れは、 脳 → 脊髄 → 運動神経 → 筋肉 (最期の2つがモーターユニット) となります。
電気信号によって筋肉が刺激されるから、心臓マッサージなどで電気を流す事によって筋肉が収縮するのですね。

では、電気信号についてです。
 直感的に重いものを持ち上げる時、脳はより強い信号を送る、と思いますよね。しかし、これは違っていて、脳の刺激のシステムには "all-or-none principle"というのがあります。「全てかなしか」つまり0か1かということですね。これは何かと言うと、脳の電気信号がある一定のボルト数を超える刺激を出すと、その電気信号が強かろうが弱かろうがそれを超えると電気信号は脊椎に伝わり筋肉まで一気に伝わる、という事です。つまり、弱すぎるとその信号は一切伝わらないし、基準さへ超えれば強度は関係無しに伝わります。だから0.5 とかはないのです。0か1。

 ではどうやってあなたは軽いものを持ったり、重いものを持ったり調節出来るのでしょうか。これには大きく2つのメカニズムがあります。
一つは、電気信号の頻度です。1を一回送るか電気信号を何回も送るか(1111111111)という事です。例えて言うならゲームでパンチボタン連打!という事です。
もう一つは、より多くのモータニューロンを刺激する、と言う事です。一つのモータニューロンが刺激する筋肉は限られていて、決まっています。だからあるモータニューロンが他の筋肉を刺激する事はありません。上で説明しましたね?だから脳は多くの力を出すに→多くのモーターユニットを刺激する→より多くの筋細胞を刺激する→出力が上がる。という仕組みです。

大きくわけてこの2つの仕組みを組み合わせによって「力」の加減がなされています。
まとめとして、
1)筋肉は電気によって刺激され、全ての収縮は自分ではなく脳から伝わる(反射などを除く)。
2)脳は電気を脊髄、運動神経と伝達して、筋肉に辿り着く。
3)モーターユニットは限られた筋肉しか刺激しない。
4)力の加減は電気信号の強さではなく頻度とモーターユニットの量によって調整される、でした。


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