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4• 練習で試合は見れない 

こんにちは。前回オープンスキルとクローズスキルについて話して間違った指導法がどう影響するかを話しました。

今回はまた違うモータースキル(技術)の違いを話します。
グロスモータースキル(gross motor skill) vs ファインモータースキル(fine motor skill)
そして
個別技術(discrete motor skill) vs. 連続的技術(continuous skill) です。

1)グロスモータースキル vs ファインモータースキル
Grossとは「全体の、大きな」の意味です。fineは「細かい」と言う意味です。つまり、始めの動きとは全身を使ったジャンプや、走る、投げる、とても複雑な動きを指します。
二つ目の動きは、パソコンでタイピングしたり、リモコンを拾って机の上に置いたり、そのリモコンでクーラーをつけたり、ドアのノブを開けたり。。。そういった小さな動き、少ない筋肉を使った動きの事を指します。

では、なぜこの話をする事が大事か、と言う事です。それは多くの研究で複雑な動きと簡単な動きでは使える理論が違う、と言う事が分かってきているからです。
例を出します。運動学習の有名な仮説でguidance hypothesis(ガイダンス仮説)というのがあります。これは指導者があまりにも細かく指導すると、選手はその指導に頼ってしまい、自分の感覚を培わなくなり、指導がなくなった時、練習の効果がなくなる、という現象です。これは、ファインモータースキル、つまり細かい動き、比較的単純な技術の時には多くの場合この現象をいろんな研究が示してきました。しかし、複雑な技術を練習している場合、この現象を予知する事は出来ませんでした。つまり、細かい技術で確立されていた理論は複雑な技術の場合説明がつかなかったのです。だからあなたか例えば論文を読んで、ある発見を知ります。しかし、それが単純な技術の場合複雑な技術に応用できるかどうかは分からないので、この2つの技術の分け方が大事だ、と言う事です。

2)個別技術(discrete motor skill) vs. 連続的技術(continuous skill)
この分類もなぜ大事かと言う理由は上で説明した事と一緒です。では、詳しく説明して行きます。個別技術とは、動きの始めと終わりがしっかりわかるもので連続的技術はある動きが繰り返されるため、始めと終わりがわからない動きの事です。
個別技術の例は、ゴルフのスイング、バスケットボールのシュート、ダーツを投げる、ピッチング、バッティング、バレーのボレーなど、どこから始まりどこで終わるかがはっきりしている動作です。
連続技術は、歩く、走る、泳ぐ、自転車に乗る、という動作です。つまり動く動作をスナップ写真で連続撮影してその30枚並べた時にある一つのサイクルが繰り返されている動作がこの技術になります。歩くにも始めと終わりがありますが、その動作は繰り返されるのではっきりしたスタートがありません。
この間に分類されるのが(serial motor skill)といって、ある個別技術が連なり、一定の連続性、つまり両方の要素を持ったものを指します。例えば車の運転でマニュアルでシフトを変える、もしくはピアノで一曲を弾く、といった事になります。

今日習った事はどちらかと言うと論文や理論を読み解く時に便利な知識になります。先ほども言いましたし、第3弾でも言いましたが、ある分類の動きで証明された事が違う分類の動きで同じ事が言えるかどうかはわからない、という事を頭に置いておいてください。

そして、前回と今回のまとめをすると、この分類は混ぜて考えれる、と言う事です。つまり複雑な動きで個別技術もあれば複雑な動きで連続技術もあります。単純な技術でクローズスキルで個別技術もある、ということです。
運動を教える時、何か新しい事を教えるときはこういった分類、についても考えてみてください。


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